BlueHeronRods

ロッドビルディング&リペアのTips

当工房ではブランク、パーツの販売も行っています。
また時々ヤフオクにもキットなどを出品しております。
ロッドビルディングに手慣れた方でしたら改めて申し上げる事でもないのですが、はじめての方、まだ不慣れな皆さんのお役に立てるよう、このページにちょっとしたコツ、注意点などを書いていこうと思います。

まず失敗しないよう一番大事な事を書きます

■ 完全に組立が終わっていない状態でフェルールを深く挿し込んだり、繋いで強く振ったりしてはいけません。

これをやると想像以上に簡単に裂けてしまう事があります。
横方向に束ねる繊維がほとんどない状態ですので当然の事です。
裂けるチーズとかと同じ物だと思ってください。
作業を始める前に念のためメスフェルールの部分にマスキングテープを何重かに巻いておきましょう。

■ 自作で構わないのでフィニッシングモーターを用意しましょう。

20RPMぐらいの低速モーターが1000~2000円程度で手に入ります。
これがあると無いとでは仕上がりに雲泥の差が出ます、というか無いと出来る気がしません。

あとはこのようなチャックがあると便利です

■ グリップはリングから成形するのがお勧めです。

電動ドリル(速度の速い物)とサンドペーパー数種類があれば製作できます。
キリタンポ状に接着したコルクはまず60番で均す程度のラフに削り(削りすぎない事!)
180~360あたりで形を作り、あとは400~800ぐらいまで使って表面を仕上げます。

当方ではコルクリング、シート金具などもそれぞれパーツとして販売しております。
出来合いのグリップを接着するのとでは形の自由度、手へのなじみが全く違います。
また成形済みのグリップはコルクのグレードが低い物が多く、形を変えようと削ると表面の化粧が剥がれて酷い事になります。中には削ってみたら実はEVAにコルクの柄が印刷されていたという事も・・・

*グリップ交換で古いコルクを剥がす場合は古い接着剤やコルクを薄く残す程度にします。
無理に剥がしたり過度にペーパー掛けするとブランクを傷つける恐れがあります。
またそうした方が結果的に接着剤の絡みが良くなります。

■ エポキシフィニッシュはRodSmithが美しく仕上がります。

これは自分もいろいろ試しましたがセルフレベリング性能の良さでRodSmithがお勧めです。
手に入りにくい場合はProKote、老舗のFlexCoatなど。
アクセサリなどに使うクラフトレジンは柔軟性、セルフレベリング性能でダメな物が多いようです。
2度3度と塗る場合、下塗り中塗りを薄く塗る分には他のエポキシでも良いと思います。
1回目は薄めた混合液をしっかり吸わせて余分はキムワイプなど使って拭き取ると最終的な仕上がりが薄く綺麗になります。
塗布部の中央に垂れ下がる液は余分です。そのまま固まるとお団子みたいになっていかにも素人っぽいです。

ガイドの取り付けについて

当方でキットまたはブランク販売する際、ガイドの位置にテープでマーキングをしております。
これを使って画像のように下側から差し込み、仮止めとしてください。
そのままバット側のフットからラッピングを始めることができます。

最初のうちは不慣れなため巻き始めが難しいと思います。
上の画像のようにマスキングテープの切れ端にUの字型にスレッドをくっつけてブランクに張り付けると簡単です。4回ほど巻いたら引き抜いてカットします。

スレッドは無理に引っ張る必要ありません。強く巻き付けるとガイドの傾き調整の際にスレッドが切れたり毛羽立ったりします。無理なくほどほどのテンションで。

*スレッドの切り残しは1回目のエポキシコートが終わった段階でベビー用爪切りなど使って切り取る方が簡単です。

*ビギナーに有りがちですがメスフェルールのクチ、スピゴットの場合はオスフェルールの根元付近をラッピング/コーティングしていないことがあります。間違いなくそこで裂けますので必ずラッピングしてください。

また何か思いつくことがあれば書き足していきます。
ネット動画にもいろいろ役に立つものが多いのでご自身で検索して参考になさってください。