BlueHeronRods

リールフットとリングの話

□ 現行Orvis、現行Rossはフットが長さ厚みともに従来品より大きい
*ウッド&リングの場合、全く装着できない事がある
□ HardyのフットはRが強く丸形スペーサー向き、厚み自体は薄い

ウッド+リング、コルク+リングは低番手ロッドに多用されるリール固定方法ですが、リールの種類によってはアッチでOKでもこっちだとNGみたいなことが起こります。

リールフットの厚みがメーカーによって結構マチマチですべてにぴったりという事はなかなか難しいのです。

たとえば現行のOrvisバテンキルや現行のRossに合わせたらRyallとか旧ROSS、ロビショーなどのクラシック系はスカスカでまったく固定できなくなってしまいます。
他の例としては現行Hardyのフットは他に比べてかなりフット裏側のRが強いです。丸い面にフィットするような形で作られているので平面寄りのシートだとそれが厚みになり十分な接触面が得られません。
Hardyというブランドはご存じのように大変人気があり一般的なのですが、だからといってそれが標準という訳でもないのです。
現行Hardyのリールをお使いになる場合はあらかじめお知らせいただいた方が良いと思います。

最も厚みのあるものに合わせて削ってしまえばそれを元に戻すことはできませんから、削りしろを残しておこう、という考え方になるかと思います。

コルクの場合はどんなリールをお使いになるのかあらかじめ聞いておけば良い具合に収まるよう調整できるし、多少でしたらユーザー様の手でペーパーがけしたりして調整も出来るのですが、ウッドの場合は既に出来てる物との組み合わせですので、どのリールにもぴったりフィットすると言う事が無理だったりします。

最も薄いロビショウでピッタリのものがアジア製の普及品にもピッタリという事は無いと思うし、その逆も然りです。ロビショウなどの手工芸品はあまり一般的ではない特殊な例だからいいのですが、ハーディーのある時期の物が意外と薄かったりして困る事もあります。

この問題がウッドスペーサーの場合はまぁ順序から言って「サイズが合うリール」を使うしかないのですが、コルクの場合はサンドペーパーで多少削れば「キツいけど掛かる」ぐらいの状態なら「普通に固定できる」ようになると思います。

リングのサイズというのはそういくつもないし順序から言ったらコルクに合わせたリングを作るよりはリングに合わせてコルクを削ることになるでしょう。たぶん削るのは0.5mmぐらい、ちょっとペーパーで調整する。といったレベルの作業です。

外径16mmのスペーサーに内径18mmのリングを用いた場合の比較

自分の知る限りではRyall(Teton) 古いROSS 一時期のHardyなどが薄めです。しかしこれら傾斜のゆるいフットはコルクスペーサーで使う場合にはむしろ無理なくしっかり固定できたりするので、製作するにあたりどんなリールをお使いになるのかあらかじめお知らせいただけると良いと思います。

画像でフィット感のキャプションを入れておりますがこれは「同じサイズのスペーサー/リングを使った場合」の比較です。極端に薄い、あるいは厚いフットのリールをお使いの場合はウッドスペーサーだと対応しきれない場合があります。コルクスペーサーでしたらお使いになるリールをあらかじめお知らせいただければギャップを調整いたします。

 

当方の把握している例としては現行Orvis、Rossのフットは普及リールの中でも長く厚身があるので、これがスルッと固定できるリングサイズだと他はユルいか全く固定できなくなってしまいます。端っこだけでキュッと固定できている方が先々コルクの痩せや凹みが起きてきたときに都合良いのです。

画像のLamsonのかかり具合は見た目にはきつそうで心配ですがしっかりと固定できています。リングの幅は7mmです。対して3mm幅のリングを使った現行OrvisバテンキルとSAGE CLIKCの画像ではフットの端がリングから出ていて見た目にも安心感があります。しかしこれは7mm幅のリングの端っこだけが掛かっているのと同じ状態と言えます。