BlueHeronRods

大栗川のカワムツ

大栗川の、と言われてもどこの川かといったところでしょう。
ウチの近所、歩いても5分程度でいける小さな川です。
多摩川の支流のひとつであり、関戸橋の少し下流で多摩川に合流します。
まぁ言ってみればどこの町にも流れていそうな三面コンクリートで固められた川です。
多摩ニュータウンのように数年の間に突然出現した街の場合、こういった川はまるで定規で引いたように直線的です。
そりゃそうなるでしょうね、地図に定規で線を引いてここからここまで工費いくらとか計算して造成されてるわけですから。

この川は見た目にはもう排水路以外の何物でもありません。事実大雨が降れば数10分のうちに30cmだった水深が4mにもなります。

私が東京のこの地に住み始めた25年前、この川の源流付近にはニジマスの釣堀がありました。
それはここからわずか数キロ上流部にあり、そのあたりに湧き水の水源があるようです。
マスが飼育できるほど水がきれいだったと言う事なのです。
今でも雨の増水が引いたあとには驚くほど透明な水が流れます。

梅雨明けから晩秋までの間、この川にはたくさんの魚たちが乗り込んできます。
ヤマベ、ハヤ、カワムツたちとフライで遊べる楽しい時期です。
私は実家の愛知にいた頃、カワムツをフライで釣るためにわざわざ滋賀県まで行っていました。
元々この魚は関東にはいなかったはずなのです。
それが5年ほど前から急激に多摩川水系にも増えてきました。

琵琶湖水系ではアマゴとほぼ同じ流域に生息し20cm程度にまで成長、フライへの反応はすこぶる良くヤマベよりもずんぐりと一回り大きいのでフライの初心者にコーチするときには良い相手になってくれました。
その魚が今では東京西部のベッドタウンを流れる水路のような川で釣れるという事実。
ちょっと複雑な気分です。