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河口湖のハス

ハスは本来、琵琶湖とその周辺のみに生息する魚である。
見れば一目瞭然、琵琶湖の特殊な環境でオイカワが巨大化し魚食性になったと思わざるを得ないほどその姿はオイカワに酷似している。
明らかな違いはその口の大きさ、魚体そのものの大きさだろう。
私が愛知県の実家に暮らしていた頃はわざわざこの魚を狙って琵琶湖水系の愛知川(えちがわ)などに出かけたものだ。
琵琶湖では平均して40cm、なかには50cm近いものもいたりして、これを雑魚とひと括りに呼んでいいものかと思った。

そのハスがここ10年ぐらいの間に河口湖で急増殖している。
おそらくバスの放流とともに琵琶湖からやってきたものが増えたのだろう。
バスはもはや商売のタネになり金を生んでくれる、ハスは外来魚じゃないからいくら魚食性があろうと助成金も出ないし騒いでも金にならない。
ギルはもとはといえば皇族の持ち込んだもの、やれ害魚だ責任を取れ、補償は出ないのか、もっと駆除活動をアピールしろ・・・カネにならないギルは大量捕獲されて草むらに掘った穴に打ち捨てられたりしていた。
私にしてみればギルだって格好のターゲット、そのような扱いを見るたび人間の身勝手さに憤りを感じていた。

話をハスに戻そう。
一般的には魚食性なんだからミノー系ルアーやストリーマーがいいんじゃないかと思われがちだが意外と手堅く面白いのはミッジを使った釣りである。
30cmオーバーの魚が20番以下のフライでサイトフイッシングできる、しかもそれが飽きない程度に回遊してきて一日中楽しめるとは、どう考えてもオイシイ釣りではないか。

去る7/28日、知人にハス釣りの案内をすべく久しぶりに訪れてみた。
小さなフライ>細いティペット>低番手のロッド>飛距離はそこそこ出したい という図式でこの日は自作の8’6” 1番をチョイス。

ときおりニゴイも混じりながら一日で20匹ほどのハスを掛けたと思う。

河口湖は都心からでも1時間ちょっと。
釣りの合間に立ち寄り温泉へ行くもよし、ちょっと足を伸ばして忍野のマスとセットにするもよし、
コンビニやファミレスも周辺にあるからトイレにも困らないし、それでいて水質はまずまずで魚影はすこぶる濃い。
バス、ハス、ギル、ニゴイ、ハヤ、ニジマス・・・フライの対称になる魚は少なくとも6種類いてギル以外は30cmを越すものばかり。
なかなか優秀な釣り場ではないだろうか。